ながくて西クリニック
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ながくて西クリニック−専門医が語る病気の知識(ピロリ菌と胃・十二指腸潰瘍、胃ガンとの関係は?)メニューに戻る

 近年、胃粘膜に感染するヘリコバクター・ピロリ菌(以下ピロリ菌)という細菌が胃炎や胃・十二指腸潰瘍の原因の一つであることが判明しました。40才以上の日本人の7〜8割がこの菌を持っています。この菌を持っている人がすべて胃・十二指腸潰瘍になるとは限りませんが、再発性の胃・十二指腸潰瘍のほとんどにピロリ菌が関係していることがわかっています。このピロリ菌はアンモニア、タンパク分解酵素、細胞毒素、活性酸素などの有害物質を産生し、粘膜防御機構(胃・十二指腸粘膜が胃酸や消化酵素などの内的刺激や食物、薬物などの外的刺激から自分を守ろうとする働き)を破綻させ、胃・十二指腸粘膜を傷害するといわれています。したがって、ピロリ菌を退治(除菌)すれば胃・十二指腸潰瘍の再発の防止に役立つとされています。除菌(2000年11月より保険適応)には胃酸を抑える潰瘍治療薬と抗生物質を服用します。当院でピロリ菌の検査及び除菌療法を行っておりますので、胃・十二指腸潰瘍でお悩みの方は是非ご相談ください。
(院長は2000例以上の除菌の経験があります)
 最近、ピロリ菌と胃ガンとの関連が話題になっています。「ガン」は日本人の病気 による死因の第1位ですが、その中でもトップの座を占めているのが胃ガンで、毎年約5万人の人が亡くなっています。古くは、1994年6月に世界保健機関(WHO)の下部組織である国際癌研究機関(The International Agency for Research on Cancer;IARC)がピロリ菌を「確実な発ガン因子」[Infection with Helicobacter pylori is carcinogenic to humans (Group 1)]と認定しました。これは、疫学調査でピロリ菌を持っている人はそれを持っていない人より胃ガンの発生率が3〜6倍高いということによるものでした。もちろん、感染者のすべてが胃ガンになるわけではありません。多くの感染者は、無症状のまま慢性胃炎の状態でとどまります。さらに、ピロリ菌が胃ガンの原因になるとする最新の研究成果が、呉共済病院の研究チー ムにより2001年9月に米国の医学雑誌(N Engl J Med 2001;345:784-789)に発表されました。ピロリ菌に感染している人と感染がない人を、7〜8年間にわたり内視鏡検査で追跡した結果、「ピロリ菌感染者1246人中36人(2.9%)に胃ガンが発生し、感染していない280人には胃ガンの発生がまったくみられなかった」という報告です。胃ガンは、幼少期にピロリ菌に感染し、その後の食生活などを通し て、発ガン物質を長期にわたって摂取することで発生すると推定されます。将来ピロリ菌の除菌療法を胃ガン予防のために行う時代が来ると思われます。


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