ながくて西クリニック
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専門医が語る病気の知識
 
ながくて西クリニック−専門医が語る病気の知識(潰瘍性大腸炎) メニューに戻る

 大腸の粘膜に潰瘍やびらん(ただれ)ができる原因不明の病気です。病変は直腸から始まり、口側へ連続的に拡がっていきます。発病率には男女差はなく、発症年齢は15〜30歳と若年層に多いのが特徴です。2001年の患者数は約73、000人で、年間約5、000人が発病しています。

自覚症状
 粘血便、下痢、腹痛が主症状です。病気の発症は緩やかなことが多く、良くなったり、悪化したを繰り返します。この病気にみられる血便はゼリー状の粘液を伴う粘血便が特徴です。その程度は様々で、紙に付着する、便の表面に付着する、あるいは排便の前後に粘血便のみを排出する場合などがあります。下痢は炎症の範囲が広くなれば、その回数も増えます。ひどくなると1日に数10回もの水様性下痢になります。このような激しい粘血下痢便が続くと、脱水となり、貧血も進みます。腹痛は排便前に急激に起こる下腹部痛で、痛みが長く続く時は重症であるとされています。炎症が強くなれば発熱し、38℃以上の発熱が持続する時は重症です。腹痛や下痢のために食事が十分とれなかったり、炎症により大腸粘膜からタンパク質が失われてしまうと、低栄養状態となり体重が減少します。なかなか治らない血便や下痢がある方、特に粘血便がみられた方は潰瘍性大腸炎が疑われますので、消化器専門医を受診することをお勧めします。
(院長は潰瘍性大腸炎の診断・治療に関する経験が豊富です)

診断・検査
 先に述べたような症状があれば潰瘍性大腸炎が疑われますが、症状が腹痛と下痢のみの場合、機能的疾患である過敏性腸症候群と診断されることがあります。また、急激に症状があらわれた場合には細菌やビールスなどによる感染性腸炎、大腸粘膜の血流障害による虚血性大腸炎などの疾患と鑑別が必要になります。したがって、診断には注腸X線検査大腸内視鏡検査を行う必要があります。 当院では注腸X線検査、大腸内視鏡検査の両検査を受けられます。

治療
 治療は内科治療が基本です。薬物療法では5-ASA製剤(サラゾスルファピリジン、メサラジン)による治療が主になります。その他に副腎皮質ステロイドや免疫抑制剤(アザチオプリン、6-MP)を使用することもあります。薬物療法により80〜90%の方で緩解が得られます。特殊治療として白血球除去療法(LCAP療法)があります。これは大腸粘膜で活性化される白血球を除去することによって炎症を抑えることを目的としています。活動期の重症・劇症および難治性の方に保険適用となっており、有効率は約70%です。つぎに、食事療法ですが、高タンパク、高カロリー食、消化の良い食品をとることが基本です。大腸を刺激する食物繊維、脂肪の多い食事、刺激物、アルコールを控えます。内科的治療に反応しない重症例、大量出血がみられる場合、癌合併がある場合などは外科的治療の適応となります。最後に大腸癌の合併ですが、発症から10年以上経過している例や全大腸炎型では大腸癌を合併する危険度が高くなります。大腸癌の合併率は発症20年で5〜10%、30年で12〜20%と報告されています。したがって、潰瘍性大腸炎と診断された方は、定期的に大腸内視鏡検査を受けることが必要です。

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