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1994年に米国消化器病学会(American Gastroenterological Association)の公式雑誌であるGastroenterology誌に掲載された院長による総説です。米国消化器病学会は1897年設立された権威ある学会です。Gastroenterology誌は消化器系雑誌の世界最高峰で、全世界6000生物医学専門誌の上位1%(61番、2004年)にある超一流雑誌です。またインパクトファクター(Impact Factor)は2004年で13.092です。インパクトファクターとは、特定の雑誌が1論文あたり平均何回引用されているかを算出した数値で、雑誌の影響度を示す指標です。実際には、(当該雑誌の過去2年間に発表された論文が、その年の1年間に発行されたすべての雑誌に引用された総件数)を(当該雑誌の過去2年間に発表された論文の総件数)で割った値を示します。
本論文は投稿後すぐに受理されました。この雑誌では初回で受理される論文は5%以下で、最終的に出版されるものは全投稿論文の28%とかなりの狭き門です(Gaining acceptance to Gastroenterology: How the review process work.Gastroenterology 1993;104: 1252-1254)。
この論文は喫煙、ニコチンの胃粘膜に及ぼす影響を論じたものです。この種の論文では最も包括的で詳細なものと高い評価を頂き、この論文により院長は米国消化器病学会会長からGastroenterology誌の論文審査委員に任命されました。
さらに米国保健省(Centers for Disease Control and Prevention)による『2004年公衆衛生局長官報告---喫煙の健康への影響』(2004 Surgeon General's Report-The Health Consequences of Smoking)の第6章、消化性潰瘍の項目で喫煙の消化管に及ぼす影響に院長の総説(804-805頁)が引用されています。(LINK 【2004 Surgeon General's Report】をご覧下さい。 )


※要約(翻訳)
疫学的、実験的な事実はニコチンが胃粘膜に悪影響を与えることを示している。なぜタバコやニコチンが胃粘膜に対して有害であるかのメカニズムは充分には解明されていない。本報告では臨床及び実験のデータを概説した。喫煙によってもたらされるニコチンの胃攻撃因子と防御因子に及ぼす影響を論考した。ニコチンは胃の攻撃因子を増強し、防御因子を減弱させる。つまり、ニコチンは以下を増加させる:酸とペプシン分泌、胃の運動、十二指腸から胃への胆汁酸の逆流、へリコバクター・ピロリ菌感染の危険性、活性酸素、血小板活性化因子(PAF,
platelet-activating factor)、エンドセリン(endothelin)、バゾプレッシン(vasopressin)の量。また、ニコチンはH2受容体拮抗剤の治療効果を低下させ、プロスタグランディン(prostaglandin)合成、胃粘膜血流、粘液分泌、上皮成長因子(EGF,
epidermal growth factor)分泌を減少させる。
矛盾する報告も多いが、大部分の事実はニコチンが胃粘膜に対して有害であるとの仮説を支持している。
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【図説明】
喫煙とニコチンの胃粘膜に対する影響。ニコチンは胃の攻撃因子を増強し、 防御因子を減弱させる。図中の諸因子につながっている実線は促進作用を、破線は抑制作用を示している。 |
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